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echire☆echire project 俳句の記録

木犀

『定本 現代俳句』山本健吉(角川書店1998)より抜粋

 

 

 

 加藤楸邨

かなしめば鵙金色の日を負ひ来

 

(前略)秋の夕べの輝きを負って、鵙が高音を張りながら一直線にこちらの樹へ飛翔してきたのである。「鵙日和」とか「鵙の晴」とかよく俳句で用いられるように、その乾いた高音は澄み切った秋の大気を感じさせる。この句、「金色の日を負ひ来」と言ったのは、何もかも茜色に染め出すような秋の入日の景にふさわしい。「かなしめば」は直截かつ大胆な主観表出であり、また一羽の鵙の姿・動作にも滲透する主観である。豪華な色彩と強烈な主観とに彩られ、音律も大きく躍動して重々しい。

 

 

 

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名著であり「究極の入門書」の座は不動である。

山本氏による解釈を越える鑑賞文には、未だに出会っていない。

 

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木犀の果ては人外時間外