echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

迷い子の手にする童話花明り

お花見に行きたいが電車に乗って遠出するのも気が咎める。家の周りも桜だらけなのにまだ見足りないのかと笑われたが、日常からほんの少し離れてみたい訳よ。要するに休み明けに同僚に提供する話のネタが欲しいの…で、緑地公園まで歩くことにした。 緑地の森…

底光る翡翠のピアス彼岸入り

ドラマの『エアガール』を流し見しながら、そう言えば高校の同級生が何人かスチュワーデス試験に受かってたなと思い出しました。懐かしいですよね、キャビンアテンダントではなくスチュワーデスと呼んでいた頃のお話。 公立高校だったので経済的な理由で進学…

汽笛遠く緩まるあたり島遍路

四国遍路の庵主によく当たる霊能力者がいる、と従姉妹が聞き付けてきたのが発端だった。霊能者なんて胡散臭くて普段は近づかないのだが、お遍路さんのバイアスがかかるとなんとなく許せてしまうから不思議だ。たまたま暇な時期だったので、私も両親に後にく…

風のまま歩く菜の花加わらせ

学生時代、私は極力文字を書かずに過ごしていた。と言っても落ちこぼれていた訳ではない。ノートに書き写すのではなく、目で読んで片っ端から記憶する、そういう勉強の仕方が性に合っていたのだ。ゲームをクリアするのと同じ感覚で、問題と答えをセットにし…

片隅に闇が生まれる雛飾

阪神大震災の後、芦屋の邸宅で古いお雛様を見せて頂いたことがある。気品のあるお顔立ち、見るからに古風なお衣装、少々傷がついたので修繕に出すというお話だった。成る程本当のお金持ちとはこういう品を好まれるのかと大変勉強になった。 我家のお雛様は、…