「鈴木花蓑の百句』伊藤敬子(ふらんす堂2020)より抜粋
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大いなる春日の翼垂れてあり
コスモスの影ばかり見え月明し
白菊に遊べる月の魍魎(かげぼふし)
紫陽花のあさぎのまゝの月夜かな
翅立てゝ鷗ののりし春の浪
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
鈴木花蓑はホトトギス派の俳人。4Sの登場前、杉田久女などと同時期に活躍したが、現在ではその名前を挙げる者は少ない。
山本健吉の『定本現代俳句』では、「客観写生風の低俗句の羅列」とけちょんけちょんに貶されつつも、秀句として下記が取り上げられている。
雪の嶺の霞に消えて光りけり
薔薇色の暈して日あり浮氷
紫陽花の浅黄のまゝの月夜かな
晴天やコスモスの影撒きちらし
雨上る地明りさして秋の暮
伊藤敬子氏の評価はそれに比べるとかなり穏健好意的だが、山本氏の影響を強く受けており、ほぼそのまま引用している部分も多い。俳句界での共通認識という事なのであろう。
稲妻やダビデの星を容れる籠