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echire☆echire project 俳句の記録

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

花の雨

「京大俳句」と「天狼」の時代 平畑静塔俳論集(沖積舎2008)より抜粋 * * * * * * * * * * ■現代俳句の面白さ *虚子の俳句には、所謂モラルというものは乏しい…モラルが無いから無遠慮で自由で、石ころでも葉っぱでも虚子の手にかかると艶を帯びて…

小米花

『細見綾子 花神コレクション俳句』細見綾子(花神社1998)より抜粋 * * * * * * * * * 菜の花がしあはせさうに黄色して 霞む日を戻りてものを言はざりし チューリップ喜びだけを持つてゐる 山茱萸が眼ひらくやうに今に咲く 見たきほど見らるゝ椿にて…

目借時

『定本 石橋秀野句文集』石橋秀野(富士見書房2000)より抜粋 * * * * * * * 初期俳句作品より 蚊柱の別れて消ゆる槻の闇 旅衣とけば扇のはたと落つ 雛納め昼の遊里の灯りけり ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ 前半は『…

百千鳥

『ヘクタール』大森静佳(文藝春秋2022)より抜粋 * * * * * * * 正面の、右の、左の顔があり左がもっとも火をふくむ顔 引き寄せてやがて静かに斬り落とす眠りの奥にあなたの腕を 瑪瑙という文字に酔いつつ読みすすむ頁に夜の翳りふかまる 読み終えて黒…