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echire☆echire project 俳句の記録

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

冬花火

『渡辺のわたし 新装版』斉藤斎藤(港の人2016)より抜粋 * * * * * * * * * * 君の落としたハンカチを君に手渡してぼくはもとの背景にもどった いつまでも手を振りつづけてたいつまでもいつまでも手は見えつづけてた 蛇口をひねりお湯になるまで見…

雪催

『落合直文の百首』梶原さい子(ふらんす堂2023)より抜粋 * * * * * * * * * * 名もしれぬちひさき星をたづねゆきて住まばやと思ふ夜半もありけり 夕暮れを何とはなしに野にいでて何とはなしに家にかへりぬ 緋縅の鎧をつけて太刀はきてみばやとぞ思…

冬に入る

『無辺』小川軽舟(ふらんす堂2022)より抜粋 * * * * * * * * * * 人の顔みな百合めきぬ終電車 日に茂り月に茂りて廃市たり 風船は絞められし首振りやまず かたまりより仔猫の形掴み出す 数へ日や顔見に来たと顔笑ふ ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡…

黄落

『作家と楽しむ古典』松浦寿輝/辻原登/長谷川櫂/小澤實/池澤夏樹(河出書房新社2019)より抜粋 * * * * * * * * * * 『近現代俳句/さまざまな流れをこそ』小澤實著 ☆始まりは正岡子規ではなく井月。田中裕明と攝津幸彦で閉じる。生者は除く。 たたず…