echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山茶花や金平糖を忍ばせて

『恋人たちはせーので光る』 最果タヒ(リトルモア2019)より抜粋 距離感 巨大な鉄球が飛んで来るみたいに、わたしは昔のことを思い出し、そうしてこれから弁解のために生きていくのだと思い知る、ちぎった花びらの数だけ、きみの爪は割れるだろう、その関連性…

冬椿これも形見の花鋏

『新装版 春のお辞儀』 長嶋有(書肆侃侃房2019)より抜粋 ポメラニアンすごい不倫の話きく 昼顔や足裏みせて女寝る 短夜の遠くで発光するウラン 夜のメトロノーム恐ろし九月尽 控えめな春のお辞儀を拝見す うつぶせで開くノートの先に海 夏の月万歳すれば体浮…

瞬きの後の世にあり寒椿

先日、一年半ぶりにデザイナー時代の大先輩(74)と遊びに行ってきた。奮発したという電動自転車で颯爽と現れ、ヘアスタイルもネイルもばっちり。相変わらずのお洒落さんで、遠くからでもキラキラオーラが出ているのがわかる。しまった!と思ったがもう遅い。…

縁先にて謀略楽し小紫

『渡邊白泉の100句を読む』 川名大(飯塚書店2021)より抜粋 白壁の穴より薔薇の国を覗く やはらかき海のからだはみだらなる 提燈を遠くもちゆきてもて帰る 夏の海水兵ひとり紛失す 霧の夜の水葬礼や舷かしぐ 終点の線路がふつと無いところ 稲無限不意に涙の堰…

きざはしの小天狗金木犀烟る

大阪近郊では、金木犀の花が例年より一週間遅れで咲き始めた。 東京はいつもの年より早目と聞いて、ワクワクしながら待機していたのに…どうやら逢坂の関を越えるのに難儀したようだ。 金木犀の花の時期は短く、数日で落ちてしまう。日曜の朝、雨上がりを待ち…