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echire☆echire project 俳句の記録

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

精霊蜻蛉

『俳句ミーツ短歌』堀田季何(笠間書院2023)より抜粋 * * * * * * * * * * 八月を静かな巨船とも思ふ みちのくの中にみつしり露の玉 人体の淋しくなれば望の夜 胃の底に沈黙の水十三夜 いきいきと餅は焼かれて父の国 (俳句生成プログラム 楽園VOL.0…

『週末のアルペジオ』三角みづ紀(春陽堂書店2023)より抜粋 * * * * * * * * * * 創造のはじまり うけとめる花弁 こんなにも小さな舟 乗りこんだら 挨拶を交わす 家々の灯りが そこはかとなく しかし確実に 揺れつづけて もはや ふたりではなく ひ…

盂蘭盆会

『厨に暮らす』宇多喜代子(NHK出版2022)より抜粋 * * * * * * * * * * 出刃の背を叩く拳や鰹切る 松本たかし 襟足の奥の瞑さよ白魚飯 寺井谷子 三日月に地はおぼろ也麦の花 芭蕉 縞目濃き冬至南瓜に刃を入れる 木内彰志 水替へてひと日蜆を飼ふご…

猿滑

『谷さやん句集』谷さやん(朔出版2022)より抜粋 * * * * * * * * * * 蟬時雨平行棒の相寄らず 藪よりアケビ友だちはまだ藪の中 七月の港に椅子が残ってる 椿咲く家なら海に出て不在 首謀者はこの捩花か透きとおる 昼顔やひさしくわが血みておらず …