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echire☆echire project 俳句の記録

汽笛遠く緩まるあたり島遍路

四国遍路の庵主によく当たる霊能力者がいる、と従姉妹が聞き付けてきたのが発端だった。霊能者なんて胡散臭くて普段は近づかないのだが、お遍路さんのバイアスがかかるとなんとなく許せてしまうから不思議だ。たまたま暇な時期だったので、私も両親に後にくっついてお詣りしに行った。

 

霊能力が本物かどうかは会ってみれば大体解ると言う。虚弱で肌の色が透き通るような人が多いらしい。私が訪れた庵主さんも色白で小綺麗なお婆さんで、目が殆ど見えていなかった。

 

この子の将来はどうでしょうか?と私の番になった。私の頭の上辺りをしばらく眺めてから、「この子には強い守護霊がついてます。大事に大事にしたい、他所にはやらん言うてます。ここまで強い霊は珍しい。龍神の様にも見えます。」と仰られた。両親は思い当たる節があったのか真顔で頷いていたが、私は(はぁ?龍神て?)と笑いを堪えるのに苦労した。

 

信じるか信じないかは貴方次第…後にも先にも霊能者に会ったのはその一度きりだが、何十年経っても覚えている所をみると、あの時の言葉に何かしら影響を受けたのかも知れない。龍神がついてるから大丈夫、とお大師様からお告げがあった事にしようと思う。

 

 

 

春泥を歩く汽笛の鳴る方へ 細見綾子