echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

風のまま歩く菜の花加わらせ

学生時代、私は極力文字を書かずに過ごしていた。と言っても落ちこぼれていた訳ではない。ノートに書き写すのではなく、目で読んで片っ端から記憶する、そういう勉強の仕方が性に合っていたのだ。ゲームをクリアするのと同じ感覚で、問題と答えをセットにしてパターン毎に覚えていく、それが私の受験勉強。理数系を専攻していた人ならば、或いは共感してもらえるかも知れない。

 

社会人になってからは更に磨きがかかって、一時的なメモ以外、手書きで文字を書くことが無くなった。大袈裟な言い方だが、私の生き様の記録は私の頭の中にだけあるのだ。いつ死んでも大丈夫、見られてまずい物は残らない。そうありたい、綺麗さっぱりこの世から消えてしまいたい、と願っている。匿名で細々と続けてきたこの俳句群だけが、ネットの片隅に放たれて生き残っていく。

 

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外には気持ちの良い風が吹いている。

雲が心の中を通り過ぎるのを防ぐことはできないけれど、

最後に自分に必要なものだけが残されると信じれば、

もうそれで充分ではなかろうか…

 

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たんぽゝと小声で言ひてみて一人 星野立子