echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

夏草や切株巨き影重ね

小学校の教科書に、緑の美しい五月に生まれたので「みどり」と言う名前になりましたと言う話があった(気がする…うろ覚え)。そしてお決まりの、名前の由来についての作文が宿題となった。

 

当時は自分の名前があまり好きではなかったので、どうにも筆が進まず苦戦した記憶がある。両親にリサーチした結果は、有名な名付け寺で候補を幾つか貰い、そこから皆で多数決で選んだの〜との事。経典の中にある漢字を組み合わせたありがたい名前らしいが、そんな由来は子供に解る筈もなく、そのまま正直に書くしかない。夢も希望もあるかいな…無味乾燥の報告書の様な文章になってしまった。

 

全世界のみどりちゃんが羨ましくて仕方なかったよね…

 

実の所、両親から本名で呼ばれることは殆ど無く、まったく別の愛称で「ようこ」と呼ばれていた。普通に呼びやすいし女の子らしい音節、本名よりも私の性格に近しいイメージではあるが…本当に親が付けたかったのはどっちの名前だろう?今となっては知る術が無い。

 

私には家族しか知らないもう一つの名があります、と書けば面白い展開になるよ、とあの時の悩める私に教えてあげたい。毎年五月になると思い出す、どうでもいい様な話である。

 

 

 

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花うばらふたたび堰にめぐり合ふ 芝不器男