『谷さやん句集』谷さやん(朔出版2022)より抜粋
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蟬時雨平行棒の相寄らず
藪よりアケビ友だちはまだ藪の中
七月の港に椅子が残ってる
椿咲く家なら海に出て不在
首謀者はこの捩花か透きとおる
昼顔やひさしくわが血みておらず
いちどきり雪をみし眼の雛しまう
貼り紙ごと電信柱消えて秋
雪がくるぞろっとページ外れたる
金魚らの中に釦がおちてゆく
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
谷さやん氏の第二句集。やはり「船団」ぽいな〜と面白く読んだ。
主宰の坪内氏よりは叙情的で生真面目な印象。一句の中にゆったりとした時間が流れているようにも感じる。
葬列の朝散り敷く猿滑