echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

盂蘭盆会

『厨に暮らす』宇多喜代子(NHK出版2022)より抜粋

 

 

 

出刃の背を叩く拳や鰹切る 松本たかし

襟足の奥の瞑さよ白魚飯 寺井谷子

三日月に地はおぼろ也麦の花 芭蕉

縞目濃き冬至南瓜に刃を入れる 木内彰志

水替へてひと日蜆を飼ふごとし 大石悦子

 

 

 

ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ

 

前半は小林聡美さんとの「昭和のくらし博物館」での対談記事、後半が主に食べ物に関する季語の紹介エッセイ。

 

所々に上記のような例句が組み込まれているのだが、特に解説がなされる訳でもなく、宇多氏がどういう基準で選んだのか、はっきりとは解らない。

 

食べ物の季語は、挨拶句として使われる事が多く、割とありきたりな作品になりがち、出尽くした感がある。

昨今の社会事情で家事分担の増えた男性陣から、今までとは違った視点の「台所俳句」が生まれてくるのを期待したい。

 

 

 

f:id:echireeeee:20230813224137j:image

 

菱灯篭浮きつ沈みつ盂蘭盆