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echire☆echire project 俳句の記録

寒の薔薇

『挑発する俳句 癒す俳句』川名大(筑摩書房2010)より抜粋

 

 

 

 ランプ 富澤赤黄男

 ─潤子よお父さんは小さい支那のランプを拾つたよ─

落日に支那のランプのホヤを拭く

やがてランプに戦場のふかい闇がくるぞ

灯はちさし生きてゐるわが影はふとし

靴音がコツリコツリとあるランプ

銃声がポツンポツンとあるランプ

灯をともし潤子のやうな小さいランプ

このランプ小さけれどものを想はすよ

藁に醒めちさきつめたきランプなり

 

 

 

 

この一篇は『天の狼』の出版記念会で、安住敦ら友人達によりポータブルの伴奏つきで朗詠された。俳句と音楽のコラボレーション、コラボにふさわしい音楽性を持っていた。

 

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こうしたトリビア満載の評論集。

新風を生み出してきた生成のシステムとはどういったものなのか、23人の俳人の代表句集を例にあげて丁寧に解説している。

 

他者と似通った句を作ってもどうしようもない…まさしく私が考え続けてきた問題、その答えがこの本の中にあると思われるのだが…まだまだそこには辿り着けそうにない。

 

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膝上の本は開かれ寒の薔薇