echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

⑨秋【2015-2017】

 

 

 

秋深しマダムはゆったり歩くもの

 

みな死ねと森のドングリ踏めば悪

黄落や褪せた詩集の音となる

 

秋立ちて足の鋭き爪隠す

全盛期ならば殺してゴーヤ棚

生前にわかり合えない桔梗咲く

 

帰る人濡縁に立つ夏の終

蟷螂の渡る沓脱石の縞

寝返れば遠のく気配蘇鉄の葉

 

秋明菊行きつ戻りつ我が領土

 

 

 

 

 

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 午後/佐川ちか1934

 

花びらの如く降る。

重い重量にうたれて昆蟲は木蔭をおりる。

檣壁に集まるもの、微風のうしろ、日射が波が響をころす。

骨骼が白い花をのせる。

思念に遮られて魚が断崖をのぼる。