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echire☆echire project 俳句の記録

立春大吉

『石橋秀野の100句を読む』山本安見子(飯塚書店2010)より抜粋

 

 

 

木犀にとほき潮のみちにけり

望遠鏡かなし枯枝頬にふるゝ

風花やかなしびふるき山の形

夜を寒み髪のほつれの影となる

小夜時雨枢おとして格子うち

西日照りいのち無惨にありにけり

火のやうな月の出花火打ち終る

蝉時雨子は担送車に追ひつけず

 

 

 

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古書店で見つけた一冊。

伝え聞く石橋秀野の人物像は「華やか」であるが、残された句は苦しみ或いは哀しみに覆われている。もし長生きをしていたならば、俳人におさまらず名文筆家になっていたかも知れない。上掲などは骨太で、作者が男性と聞いても違和感がない。

時系列的に不明な点も多いので、引き続き調べていこうと思う。

 

 

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立春大吉とうふに散らす海の色