春燈三代目主宰成瀬氏の評論を纏めた一冊。名著であり優れた万太郎俳句入門、俳人協会評論賞受賞とあるが…私には半分位しか内容を読み取ることが出来なかった。
万太郎の著作からの引用なのか、伝聞なのか、筆者の感想なのか、出典が判然としない書き方で、混乱必至である。
更に解説として齋藤礎英氏の評論が掲載されているのだが、これもどう読めば良いのか謎。(これは解説じゃないよね?)
中々手強い一冊である。
以下、初読時のメモを残しておく。
①万太郎の師系
子規…夏目漱石─松根東洋城─万太郎
②季題ベストテン
時雨、桜、秋風、寒さ、短日、梅雨、月、梅、雪、露
③俳句剃刀説
俳句は日本カミソリのようなもので、平生はヒゲを剃る道具だが、いざというときには命を守り人を殺すことができる。
④俳句縫いとり説
表から見ると美しく縫い取られた着物も、その裏側では糸が上へ下へ、右に左に錯綜している。出来上がった表から裏側の糸の広がりを想像できるような俳句でなければならない。
⑤春燈創刊号選後評
"影"あつてこその"形"…便宜、これを、俳句の上に移して、"影"とは畢竟"餘情"であるとわたくしはいひたいのである。
⑥小説「市井人」「うしろかげ」俳人必読
うらうらに今一息というところ