『シンジケート[新装版]SYNDICATE』 穂村弘(2021講談社)より
呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」と貴方は教えてくれる
穂村氏の作品の中で、私が一番好きなのはこの歌である。美しいショートムービーを観ているようで、音として聞いても心地良い。たいして意味のあることは言って無いのに、短歌の定型に嵌るとこうも安定する、良い一例でもある。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
その首の細さを憎む離れては黒鍵のみをはしる左手
百億のメタルのバニーいっせいに微笑む夜をひとりの遷都
ばらまいてしまった砂糖は火の匂い 善は急げ 悪はもっと急げ
このあたりは塚本邦雄風?
1990年の初版時の塚本邦雄の栞文も再掲されている。塚本氏に影響を受けたという割には似てないよね…と思っていたのだが、改めて読むとなるほど似せようとしていた痕跡…位はある。
しかし、塚本を真似ようとしてたら穂村になった、という過程はよく解らない。理解不能。ミッシングリンクが多すぎなんですけど?笑。
早々に考えるのはやめて、短歌は読む専、エンタメとして楽しむことにしようと思う。