echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

脳髄はにごりにこごり冬帽子

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散歩コースにある可愛らしい平屋のお宅。そこの塀から何やらピンクのモコモコ盛り上がっていて、近づいてみると…こ、これは「皇帝ダリア」ではないの?!巨大!軽く3メートルはある!

 

あまりの大きさにダリアだとは思いもよらず…てっきり花の咲く庭木だとばかり…最近の流行りなのだろうか?検索するとここまで大きくなる花には、それなりの広さの庭が必要で、そうそう簡単には植えられないとある。然り。

 

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子供の頃、我が家の裏庭、鶏小屋の横には毎年ポンポンダリアが咲いていた。

時期がくれば勝手に生えてくるのだと思っていたが、あれは母がこっそり種子を撒いていたのだろうか?ある朝突然「ダリアが咲いたよ」と告げて、子供達が驚く顔を見たかったのだろうか?

 

ダリアやら薔薇やら小菊やら、沢山咲いた時には、小学校へ持ってお行きと包んでくれた。花屋さんなど存在しない田舎だったので、自宅で咲いたお花を持ち寄っては、先生に飾って頂いていた。

思えば大らかな時代、何の疑問も無く、子供達は(時には男の子も)お花を抱えてうきうきと登校していた。その時だけはちょっと良いトコの子になった気分を味わえたのだ。

 

私にとってのダリアは、あの赤いポンポンダリア。陽だまりの鶏小屋の横で、いつまでも風に揺れ続けている。

 

 

 

 

 

手套を脱ぐ手ふと休む何やらこころかすめし思ひ出のあり 啄木