俳壇や歌壇、句会や歌会、文芸の世界全般に、エコーチェンバー現象は見受けられる。どの範囲で輪が閉じられるかはその時々、扱われるテーマにもよるが、場合によっては息苦しさを伴う。
同時期に俳句を始めた人の中には、作品を作る事よりも、週末の居場所作り、いかにビッグネームに近づくかに注力している方もいる。そういう考え方を否定している訳ではなく、お稽古事の大半は師匠がお弟子さんを集める事で成り立っており、お弟子さんがパトロン(会費を払う側)として相応の見返りを求めるのも正しい姿だと言える。
唐突に、何故こんな不穏な話をしているのか?不思議でしょ。
先日YouTuberになって不労収入!という話で盛り上がって、何がバズるの?歌やダンスはありきたり…保護猫?犬?小鳥?やっぱ時期的に怪談?
…で稲川淳二を検索したら、次の日からオススメ動画が怖いのばっかりになってしまった。どうしてくれんのよっ!
そんなこんなで、エコーチェンバー現象という言葉を若い子達に教えて貰ったので、早速使っている訳なのだ。
YouTube側に悪気はないのだろうが、そんなサービスは誰もが望むとは限らない。鑑賞する立場ならありがたいが、新しいアイデアを探す時には邪魔なフィルターでしかない。欲しい情報を検索する技術を身に付けないと、同じ場所をグルグル回り続ける事になる。
若干否定的な意味合い、安易に同調することの危うさについては、又改めて書きたいと思う。
トルソー涼し抱き合う腕持たざれば 神野紗希