より抜粋
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號泣をして済むならばよからむに花群るるくらき外に挿されて
葉擦れ雨音ふたたび生きて何せむと病む声は告ぐ吾もしか思ふ
からたちの萌黄といへどその暗くしづめるいろに花は順ふ
泣き喚ぶ手紙を読みてのぼり来し屋上は闇さなきだに闇
生きがたき此の生のはてに桃植ゑて死も明かうせむそのはなざかり
くらがりになほ闇と呼ぶぬばたまの生きものが居て芝の上うごく
あをあをと馬群らがりて夏の夜のやさしき耳を噛みあひにけり
やや遠く熱源生るる家内の、いまさらどうしやうもないさ、さみだれ
樹の上で鳴くこほろぎの声きこゆ水のふかさを生きねばならぬ
ああこんなことつてあるか死はこちらをむいてほしいと阿婆世といへど
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ