『久保田万太郎俳句集』恩田侑布子編(岩波文庫2021)より抜粋
*
*
*
*
*
*
*
闇の梅ばけものがるたはやりけり
秋風や水に落ちたる空のいろ
枯野はも縁の下までつゞきをり
時計屋の時計春の夜どれがほんと
短夜のあけゆく水の匂かな
ほそみとはかるみとは蝶生れけり
仰山に猫ゐやはるわ春灯
叱られて目をつぶる猫春隣
薄暮、微雨、而して薔薇しろきかな
湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
俳句、小唄、散文等を収録。いつもの様に妖しげな句を探していたのだが、案外明晰な句が多く途中で諦めた。猫句、水句、有名句。
この本の中では、散文の「文字に対する敏感」が特に興味深かった。
“読む人の眼にどんな感じをあたえるか、果してその句のもっているものをハッキリ伝えているか、そこまで考えなければ本当ではない。”
要約するとこの一文になるのだが、例を挙げて解説をするその内容…文字には陰影があって、ある文字はあくどく濁っている…という超感覚を持つ人がいる事に驚かされた。そこまで敏感だと生き辛いだろうな。
蒐集す欺瞞冷血花衣