2022-11-27 (15)冬【2019/Que sais-je?】 俳句 月冴ゆるあやかし四方に伸びる影 伝奇本うつ伏せのまま読む冬日 見覚えのある人といて冬紅葉 鯉の口ぼやんと吐きし小春かな 山茶花の谿間音なく前をゆく 冬椿写す少年は少年と 凩や白い柱の建つ宇宙 堰堤で終わる足跡水涸るる 空色の背表紙並べ春隣 虹を吐く冬野旋回する少女 梁(うつばり)の見えておそろし夜半の冬 原石鼎