echireeeee

echire☆echire project 俳句の記録

(11)秋【2019/Que sais-je?】

 

 

秋暑し絵本に薄く土埃

 

爽籟や紡ぐ煌びやかなる漏斗

深淵に水蜜桃の舟舫う

あやまたずふかみへ連む星祭

 

真葛原人の形を記憶して

祭礼を待つ神の座にこぼれ萩

 

なぜ月がついてくる燃える密林

 

秋の暮どのベンチにも父がおり

庭先で急ぎ封切る火の恋し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Lilith』川野芽生(2020書肆侃侃房)より抜粋

 

 

harassとは猟犬をけしかける声 その鹿がつかれはてて死ぬまで

うつくしいパルフェをくづし混沌の海よりひとが取りだすミント

ひとがひと恋はむ奇習を廃しつつ昼さみどりの雨降りしきる

ねむる──とはねむりに随きてゆく水尾となること 今し水門を越ゆ

わがウェルギリウスわれなり薔薇とふ九重の地獄ひらけば